赤いカブトムシ2/江戸川乱歩

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プレイ回数496難易度(4.2) 3423打 長文 長文モードのみ
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出典:「たのしい三年生」講談社 1958(昭和33)年4月〜1959(昭和34)年3月

赤いカブトムシ1 https://typing.twi1.me/game/414166
赤いカブトムシ3 https://typing.twi1.me/game/414327
赤いカブトムシ4 https://typing.twi1.me/game/414328
赤いカブトムシ5 https://typing.twi1.me/game/414329
赤いカブトムシ6 https://typing.twi1.me/game/415430
赤いカブトムシ7 https://typing.twi1.me/game/415434
赤いカブトムシ8 https://typing.twi1.me/game/415437
赤いカブトムシ9 https://typing.twi1.me/game/415439
赤いカブトムシ10 https://typing.twi1.me/game/415440
赤いカブトムシ11 https://typing.twi1.me/game/415442
赤いカブトムシ12 https://typing.twi1.me/game/415444
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 デコポン 6655 S+ 6.8 96.9% 493.7 3392 106 75 2024/10/30
2 Ri 5476 B++ 5.6 97.0% 604.0 3411 103 75 2024/10/30
3 kuma 5016 B+ 5.3 93.8% 637.7 3425 226 75 2024/10/15
4 れもん 4808 B 5.0 95.3% 667.4 3375 166 75 2024/10/22

問題文

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(もりのなかの、ふるいせいようかんのまどから、ちいさいおんなのこが、)

森の中の、ふるいせいようかんのまどから、小さい女の子が、

(たすけをもとめてなきさけんでいた、そのあくるひのこと。)

たすけをもとめてなきさけんでいた、そのあくる日のこと。

(みどりちゃんのにいさんのきむらとしおくんは、さっそく、)

ミドリちゃんのにいさんの木村敏夫くんは、さっそく、

(このことをしょうねんたんていだんちょうのこばやしくんにしらせましたので、)

このことをしょうねんたんていだんちょうの小林くんに知らせましたので、

(こばやしだんちょうが、きむらくんのうちへやってきました。)

小林だんちょうが、木村くんのうちへやってきました。

(そして、ふたりでもりのなかのせいようかんをたんけんすることになりました。)

そして、ふたりで森の中のせいようかんをたんけんすることになりました。

(まっぴるまですから、こわいことはありません。でも、ふたりとも、)

まっぴるまですから、こわいことはありません。でも、ふたりとも、

(たんていななつどうぐのかいちゅうでんとうや、きぬいとのなわばしごや、)

たんてい七つどうぐのかいちゅうでんとうや、きぬ糸のなわばしごや、

(よぶこのふえなどは、ちゃんとよういしていました。)

よぶこのふえなどは、ちゃんとよういしていました。

(こばやしだんちょうときむらくんは、うすぐらいもりのなかをとおって、)

小林だんちょうと木村くんは、うすぐらい森の中をとおって、

(おばけやしきのせいようかんのまえにきました。いりぐちのどあをおしてみますと、)

おばけやしきのせいようかんのまえに来ました。入口のドアをおしてみますと、

(なんなくひらきました。かぎもかかっていないのです。)

なんなくひらきました。かぎもかかっていないのです。

(ふたりはなかへはいり、ひろいろうかを、)

ふたりは中へはいり、ひろいろうかを、

(あしおとをたてないようにして、しのびこんでいきました。)

足音をたてないようにして、しのびこんでいきました。

(かいちゅうでんとうをてらし、ながいあいだかかって、)

かいちゅうでんとうをてらし、長いあいだかかって、

(いっかいとにかいのぜんぶのへやをしらべましたが、)

一かいとニかいのぜんぶのへやをしらべましたが、

(だれもいないことがわかりました。まったくのあきやです。)

だれもいないことがわかりました。まったくのあきやです。

(「どうも、このへやがあやしいよ。なぜだかわからないが、)

「どうも、このへやがあやしいよ。なぜだかわからないが、

(そんなきがするんだ。」)

そんな気がするんだ。」

(いっかいのひろいへやにもどったとき、こばやしくんが、)

一かいのひろいへやにもどったとき、小林くんが、

など

(ひとりごとのようにいいました。すると、ちょうどそのとき・・・)

ひとりごとのようにいいました。すると、ちょうどそのとき・・・

(どこからともなく、かすかに、かすかに、)

どこからともなく、かすかに、かすかに、

(「おじさん、かんにんして。あっ、こわい・・・たすけてぇ・・・。」)

「おじさん、かんにんして。あっ、こわい・・・たすけてぇ・・・。」

(というひめいがきこえてきました。ちいさいおんなのこのこえのようです。)

というひめいがきこえてきました。小さい女の子の声のようです。

(ふたりはぞっとして、たちすくんだまま、かおをみあわせました。)

ふたりはぞっとして、たちすくんだまま、かおを見あわせました。

(「ゆかしたからきこえてきたようだね。」)

「ゆか下からきこえてきたようだね。」

(こばやしくんが、くびをかしげながらいいました。するとまた、)

小林くんが、くびをかしげながらいいました。するとまた、

(「あれっ、いけないっ。はやくたすけて。」と、かすかなこえが・・・。)

「あれっ、いけないっ。早くたすけて。」と、かすかな声が・・・。

(「どこかに、かくしどがあるにちがいない。どこだろう。」)

「どこかに、かくし戸があるにちがいない。どこだろう。」

(こばやしくんは、かいちゅうでんとうをてらして、)

小林くんは、かいちゅうでんとうをてらして、

(へやじゅうをさがしまわりました。)

へやじゅうをさがしまわりました。

(そのへやには、おおきなだんろがついていて、そのだんろのしたがわに、)

そのへやには、大きなだんろがついていて、そのだんろの下がわに、

(まるいぼっちが、ずっとならんでいます。かざりのちょうこくです。)

まるいぼっちが、ずっとならんでいます。かざりのちょうこくです。

(こばやしくんは、そのぼっちをひとつひとつ、ゆびでおしてみました。)

小林くんは、そのぼっちを一つ一つ、ゆびでおしてみました。

(すると、みぎからななばんめのぼっちが、ちょうどべるのおしぼたんのように、)

すると、右から七ばんめのぼっちが、ちょうどベルのおしボタンのように、

(うごくことがわかったのです。こばやしくんは、それをぐっとおしてみました。)

うごくことがわかったのです。小林くんは、それをぐっとおしてみました。

(すると・・・。)

すると・・・。

(がたんというおとといっしょに、「あっ。」というさけびごえ。)

ガタンという音といっしょに、「あっ。」というさけび声。

(びっくりしてふりむくと、いままでそこにいたきむらくんのすがたが、)

びっくりしてふりむくと、いままでそこにいた木村くんのすがたが、

(きえうせていました。)

きえうせていました。

(こばやしくんはびっくりして、そこへかけつけました。すると、ゆかいたに、)

小林くんはびっくりして、そこへかけつけました。すると、ゆかいたに、

(しかくいあながぽっかりとあいていることがわかりました。)

四かくいあながぽっかりとあいていることがわかりました。

(ちかしつへのおとしあなです。こばやしくんが、だんろのぼっちをおしたので、)

ちかしつへのおとしあなです。小林くんが、だんろのぼっちをおしたので、

(それがひらいたのです。)

それがひらいたのです。

(「きむらくん、だいじょうぶか。」)

「木村くん、だいじょうぶか。」

(あなのなかへ、かいちゅうでんとうをむけてよんでみました。)

あなの中へ、かいちゅうでんとうをむけてよんでみました。

(「う、う、う・・・だ、だいじょうぶだっ。」)

「う、う、う・・・だ、だいじょうぶだっ。」

(きむらくんがくるしそうにこたえました。みると、あなのしたに、)

木村くんがくるしそうにこたえました。見ると、あなの下に、

(すべりだいのようないたが、ずっとつづいています。こばやしくんは、)

すべりだいのようないたが、ずっとつづいています。小林くんは、

(おもいきってそこへとびおりました。)

思いきってそこへとびおりました。

(すうっ・・・とすべりました。そして、どしんと、ちかしつのかたいゆかに、)

すうっ・・・とすべりました。そして、どしんと、ちかしつのかたいゆかに、

(しりもちをつきました。)

しりもちをつきました。

(やっとのことでおきあがって、かいちゅうでんとうをてらしてみますと、)

やっとのことでおき上がって、かいちゅうでんとうをてらしてみますと、

(そこはじゅうじょうほどの、ひろいちかしつでした。)

そこは十じょうほどの、ひろいちかしつでした。

(しかし、ひめいをあげたおんなのこのすがたは、どこにもみえません。)

しかし、ひめいをあげた女の子のすがたは、どこにも見えません。

(むこうのかべに、まっくらなほらあながあいています。そのむこうに、)

むこうのかべに、まっくらなほらあながあいています。そのむこうに、

(べつなちかしつがあるのでしょうか。)

べつなちかしつがあるのでしょうか。

(「あっ、きみ。あれ、なんだろう。」)

「あっ、きみ。あれ、なんだろう。」

(きむらくんがおびえたこえで、そのほらあなをゆびさしました。)

木村くんがおびえた声で、そのほらあなをゆびさしました。

(ふたりのかいちゅうでんとうが、ぱっと、そこをてらしました。)

ふたりのかいちゅうでんとうが、ぱっと、そこをてらしました。

(まっくらなほらあなのおくで、ぎらぎらひかった、ふたつのまるいものが、)

まっくらなほらあなのおくで、ぎらぎら光った、二つのまるいものが、

(ちゅうにういているのです。そしてそれが、)

ちゅうにういているのです。そしてそれが、

(だんだんこちらへちかづいてくるではありませんか。)

だんだんこちらへ近づいてくるではありませんか。

(かいぶつのめです。なにかしらおそろしいものが、こちらへやってくるのです。)

かいぶつの目です。なにかしらおそろしいものが、こちらへやってくるのです。

(まるでやどかりが、かいがらのなかからかおをだすように、)

まるでヤドカリが、かいがらの中からかおを出すように、

(にゅっとくびをだしました。)

にゅっとくびを出しました。

(「あっ。」)

「あっ。」

(ふたりは、おもわずこえをたてて、おたがいのからだをだきあいました。)

ふたりは、思わず声をたてて、おたがいのからだをだきあいました。

(そのからだは、まっかでした。まっかなながい、おおきなつの。そのねもとに、)

そのからだは、まっかでした。まっかな長い、大きなつの。そのねもとに、

(ぶきみなとんがったくち。ふたつのぎらぎらひかるめ。)

ぶきみなとんがった口。二つのぎらぎら光る目。

(おれまがったろっぽんのながいあし・・・。それは、にんげんほどのおおきさの、)

おれまがった六本の長い足・・・。それは、にんげんほどの大きさの、

(まっかなかぶとむしだったのです。)

まっかなカブトムシだったのです。

(ああ、ふたりはどうなるのでしょう。)

ああ、ふたりはどうなるのでしょう。

(さっき、ひめいをあげたかわいそうなおんなのこは、)

さっき、ひめいをあげたかわいそうな女の子は、

(いったいどうしたのでしょうか。)

いったいどうしたのでしょうか。

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