赤いカブトムシ10/江戸川乱歩

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出典:「たのしい三年生」講談社 1958(昭和33)年4月〜1959(昭和34)年3月

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赤いカブトムシ12

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問題文

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(こばやしくんと、きむらくんと、ゆうこちゃんと、いのうえくんと、のろちゃんのごにんは、)

小林くんと、木村くんと、ユウ子ちゃんと、井上くんと、ノロちゃんの五人は、

(るびーのかぶとむしをとりかえすために、まほうはかせのすみかのちかしつへ)

ルビーのカブトムシをとりかえすために、まほうはかせのすみかのちか室へ

(はいっていって、いろいろなおそろしいめにあいました。ちかしつにはひろいへやが)

はいっていって、いろいろなおそろしいめにあいました。ちか室には広いへやが

(あって、ごにんがそこへはいると、へやのまんなかに、むくむくとみょうな)

あって、五人がそこへはいると、へやのまん中に、むくむくとみょうな

(かいぶつがあらわれました。)

かいぶつがあらわれました。

(たまごにめとくちをつけたような、おかしなやつです。それが、みるまにだんだん)

たまごに目と口をつけたような、おかしなやつです。それが、見るまにだんだん

(おおきくなり、おとなのさんばいもあるようなおおにゅうどうになってしまいました。)

大きくなり、おとなの三ばいもあるような大にゅうどうになってしまいました。

(そして、)

そして、

(「わははは・・・。」)

「わははは・・・。」

(と、かみなりのようなわらいごえがきこえました。)

と、かみなりのようなわらい声が聞えました。

(みんなは、おもわずもときたほうへにげだしましたが、せまいいりぐちにはいりこもうと)

みんなは、思わずもと来た方へ逃げだしましたが、せまい入口にはいりこもうと

(して、ふと、うしろをみますと、おやっ、あのかいぶつは、どこへいったのか、)

して、ふと、うしろを見ますと、おやっ、あのかいぶつは、どこへ行ったのか、

(かげもかたちもなくなっていました。かいちゅうでんとうでよくしらべて)

かげも形もなくなっていました。かいちゅうでんとうでよくしらべて

(みましたが、へやは、まったくからっぽで、なにもないのです。)

みましたが、へやは、まったくからっぽで、なにもないのです。

(しほうのかべはかたいこんくりーとで、どこにもでぐちはありません。)

四方のかべはかたいコンクリートで、どこにも出口はありません。

(みんなはいよいよきみがわるくなってきました。)

みんなはいよいよきみがわるくなってきました。

(「へんだなあ。あいつ、けむりのようにきえてしまったよ。」)

「へんだなあ。あいつ、けむりのようにきえてしまったよ。」

(のろちゃんが、とんきょうなこえでいいました。)

ノロちゃんが、とんきょうな声でいいました。

(「あっ、ごらん。なんだか、うごいてる。」)

「あっ、ごらん。なんだか、動いてる。」

(またしても、じめんから、ぶきみなものがわきだしてきました。)

またしても、じめんから、ぶきみなものがわき出してきました。

など

(まっさおなものです。それが、かおからかたはらこしとせりだして、)

まっさおなものです。それが、かおからかた・はら・こしとせり出して、

(おとなぐらいのおおきさになりました。)

おとなぐらいの大きさになりました。

(「あっ、せいどうのまじんだ。」)

「あっ、せいどうのまじんだ。」

(こばやしくんがさけびました。ずっとまえに、しょうねんたんていだんがたたかった、あの)

小林くんがさけびました。ずっと前に、少年たんていだんがたたかった、あの

(おそろしい、せいどうのまじんと、そっくりなのです。)

おそろしい、せいどうのまじんと、そっくりなのです。

(せいどうでできたような、あおいやつです。みみまでさけたくちで、にやにやわらって)

せいどうでできたような、青いやつです。耳までさけた口で、にやにやわらって

(います。それがみるみるおおきくなって、やっぱりおとなのさんばいほどになり)

います。それが見る見る大きくなって、やっぱりおとなの三ばいほどになり

(ました。あたまがてんじょうにつかえています。)

ました。あたまがてんじょうにつかえています。

(「ぎりりりり、ぎりりりり・・・。」)

「ギリリリリ、ギリリリリ・・・。」

(はぐるまのおとがします。せいどうのまじんのなかに、)

はぐるまの音がします。せいどうのまじんの中に、

(はぐるまがしかけてあるのでしょうか。)

はぐるまがしかけてあるのでしょうか。

(「わはははは・・・。ちんぴらども、よくきたな。きみたちのさがしていたあかい)

「わはははは・・・。ちんぴらども、よく来たな。きみたちのさがしていた赤い

(かぶとむしは、このわしがもっている。ほら、ここにあるよ。」)

カブトムシは、このわしが持っている。ほら、ここにあるよ。」

(まっさおなきょじんは、おそろしいこえでそういうと、みみまでさけたくちをぱっくり)

まっさおなきょじんは、おそろしい声でそういうと、耳までさけた口をぱっくり

(あけました。)

あけました。

(そのくちから、ぺろぺろとあかいしたをだしました。そのしたのうえに、まっかな)

その口から、ぺろぺろと赤いしたを出しました。そのしたの上に、まっかな

(かぶとむしがのっているではありませんか。)

カブトムシがのっているではありませんか。

(せいどうのまじんは、くちのなかに、るびーのかぶとむしをかくしていたのです。)

せいどうのまじんは、口の中に、ルビーのカブトムシをかくしていたのです。

(しょうねんたちはそれをみると、おもわず、「あっ。」とさけびました。しかし、あいて)

少年たちはそれを見ると、思わず、「あっ。」とさけびました。しかし、あい手

(はおそろしいかいぶつです。とりかえすことは、とてもできそうにありません。)

はおそろしいかいぶつです。とりかえすことは、とてもできそうにありません。

(「わははは・・・。これがほしくないのかね。おくびょうなちんぴらどもだな。)

「わははは・・・。これがほしくないのかね。おくびょうなちんぴらどもだな。

(くやしかったら、わしのかおまでのぼってきてみろ。そして、わしのくちのなかから)

くやしかったら、わしのかおまでのぼってきてみろ。そして、わしの口の中から

(、これをとりだせばいいのだ。わははは・・・。そのゆうきが、きみたちに)

、これをとり出せばいいのだ。わははは・・・。そのゆうきが、きみたちに

(あるかね。」)

あるかね。」

(せいどうのまじんは、しょうねんたちをばかにしたように、おおきなからだをゆすって)

せいどうのまじんは、少年たちをばかにしたように、大きなからだをゆすって

(わらうのでした。)

わらうのでした。

(「ちくしょう。みんなきたまえ。」)

「ちくしょう。みんな来たまえ。」

(おとうさんから、けんどうをならっている、いのうえいちろうくんはそうさけぶと、)

おとうさんから、けんどうをならっている、井上一郎くんはそうさけぶと、

(いきなり、かいぶつのみぎのあしにしがみついていきました。)

いきなり、かいぶつの右の足にしがみついていきました。

(あいては、おとなのさんばいもあるきょじんです。まるでこれは、すもうとりのあし)

あいては、おとなの三ばいもあるきょじんです。まるでこれは、すもうとりの足

(にあかんぼうがしがみついているようです。)

に赤んぼうがしがみついているようです。

(そのとき、がらがらがらっという、おそろしいおとがして、あたりが、ぽっと)

そのとき、ガラガラガラッという、おそろしい音がして、あたりが、ぽっと

(あかるくなりました。やみになれたみんなのめには、まぶしくて、めをあけて)

明るくなりました。やみになれたみんなの目には、まぶしくて、目をあけて

(いられないほどのあかるさです。)

いられないほどの明るさです。

(いったい、なにごとがおこったのでしょう。やっとめをひらいてみますと、ふしぎ)

いったい、なにごとが起ったのでしょう。やっと目を開いてみますと、ふしぎ

(ふしぎ、ちかしつのてんじょうがなくなっているではありませんか。)

ふしぎ、ちか室のてんじょうがなくなっているではありませんか。

(てんじょうがきかいじかけで、りょうほうへひらくようになっていたのです。うえには、)

てんじょうがきかいじかけで、両方へ開くようになっていたのです。上には、

(あおぞらがみえています。たいようのひかりが、さんさんとあたりにかがやいています。)

青空が見えています。たいようの光が、さんさんとあたりにかがやいています。

(「あっ、たいへんだ。いのうえくんが・・・。」)

「あっ、たいへんだ。井上くんが・・・。」

(こばやしくんが、びっくりしてさけびました。ほんとうに、たいへんなことがおこって)

小林くんが、びっくりしてさけびました。ほんとうに、たいへんなことが起って

(いたのです。)

いたのです。

(ごらんなさい。せいどうのまじんのからだが、すうっとちゅうにういたかと)

ごらんなさい。せいどうのまじんのからだが、すうっとちゅうにういたかと

(おもうと、そのまま、ふわふわそらへまいあがっています。あしにしがみついたいのうえ)

思うと、そのまま、ふわふわ空へまい上がっています。足にしがみついた井上

(くんも、いっしょにつれたままです。)

くんも、いっしょにつれたままです。

(これも、まほうはかせのまほうでしょうか。)

これも、まほうはかせのまほうでしょうか。

(それにしても、これから、いったいどんなことがおこるのでしょう。)

それにしても、これから、いったいどんなことが起るのでしょう。

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