銀河鉄道の夜 35

(沈没船の乗客 3/6)
「わたしたちはもうなんにも悲しいことないのです。
わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。
そこならもうほんとうに明るくて、匂いがよくて、りっぱな人たちでいっぱいです。・・・」
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問題文
(せいねんはおしえるようにそっときょうだいにまたいいました。)
青年は教えるようにそっと姉弟にまたいいました。
(「わたしたちはもうなんにもかなしいことないのです。)
「わたしたちはもうなんにも悲しいことないのです。
(わたしたちはこんないいとこをたびして、)
わたしたちはこんないいとこを旅して、
(じきかみさまのとこへいきます。)
じき神さまのとこへ行きます。
(そこならもうほんとうにあかるくて)
そこならもうほんとうに明るくて
(においがよくてりっぱなひとたちでいっぱいです。)
匂いがよくてりっぱな人たちでいっぱいです。
(そしてわたしたちのかわりにぼーとへのれたひとたちは、)
そしてわたしたちのかわりにボートへ乗れた人たちは、
(きっとみんなたすけられて、)
きっとみんな助けられて、
(しんぱいしてまっているめいめいのおとうさんやおかあさんや)
心配して待っているめいめいのお父さんやお母さんや
(じぶんのおうちへやらいくのです。)
自分のお家へやら行くのです。
(さあ、もうじきですからげんきをだして)
さあ、もうじきですから元気を出して
(おもしろくうたっていきましょう。」)
おもしろくうたって行きましょう。」
(せいねんはおとこのこのぬれたようなくろいかみをなで、)
青年は男の子のぬれたような黒い髪をなで、
(みんなをなぐさめながら、)
みんなをなぐさめながら、
(じぶんもだんだんかおいろがかがやいてきました。)
自分もだんだん顔いろがかがやいてきました。
(「あなたがたはどちらからいらっしゃったのですか。)
「あなた方はどちらからいらっしゃったのですか。
(どうなすったのですか。」)
どうなすったのですか。」
(さっきのとうだいかんしゅが)
さっきの燈台看守が
(やっとすこしわかったようにせいねんにたずねました。)
やっと少しわかったように青年にたずねました。
(せいねんはかすかにわらいました。)
青年はかすかにわらいました。
(「いえ、ひょうざんにぶっつかってふねがしずみましてね、)
「いえ、氷山にぶっつかって船が沈みましてね、
(わたしたちはこちらのおとうさんがきゅうなようで)
わたしたちはこちらのお父さんが急な用で
(にかげつまえひとあしさきにほんごくへおかえりになったので)
二ヶ月前一足さきに本国へお帰りになったので
(あとからたったのです。)
あとから発ったのです。