銀河鉄道の夜 35
九、ジョバンニの切符 7/36
(沈没船の乗客 3/6)
(沈没船の乗客 3/6)
青年は教えるようにそっと姉弟にまたいいました。
「わたしたちはもうなんにも悲しいことないのです。
わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。
そこならもうほんとうに明るくて、匂いがよくて、りっぱな人たちでいっぱいです。・・・」
「わたしたちはもうなんにも悲しいことないのです。
わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。
そこならもうほんとうに明るくて、匂いがよくて、りっぱな人たちでいっぱいです。・・・」
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(せいねんはおしえるようにそっときょうだいにまたいいました。)
青年は教えるようにそっと姉弟にまたいいました。
(「わたしたちはもうなんにもかなしいことないのです。)
「わたしたちはもうなんにも悲しいことないのです。
(わたしたちはこんないいとこをたびして、)
わたしたちはこんないいとこを旅して、
(じきかみさまのとこへいきます。)
じき神さまのとこへ行きます。
(そこならもうほんとうにあかるくて)
そこならもうほんとうに明るくて
(においがよくてりっぱなひとたちでいっぱいです。)
匂いがよくてりっぱな人たちでいっぱいです。
(そしてわたしたちのかわりにぼーとへのれたひとたちは、)
そしてわたしたちのかわりにボートへ乗れた人たちは、
(きっとみんなたすけられて、)
きっとみんな助けられて、
(しんぱいしてまっているめいめいのおとうさんやおかあさんや)
心配して待っているめいめいのお父さんやお母さんや
(じぶんのおうちへやらいくのです。)
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(せいねんはおとこのこのぬれたようなくろいかみをなで、)
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(みんなをなぐさめながら、)
みんなをなぐさめながら、
(じぶんもだんだんかおいろがかがやいてきました。)
自分もだんだん顔いろがかがやいてきました。
(「あなたがたはどちらからいらっしゃったのですか。)
「あなた方はどちらからいらっしゃったのですか。
(どうなすったのですか。」)
どうなすったのですか。」
(さっきのとうだいかんしゅが)
さっきの燈台看守が
(やっとすこしわかったようにせいねんにたずねました。)
やっと少しわかったように青年にたずねました。
(せいねんはかすかにわらいました。)
青年はかすかにわらいました。
など
(「いえ、ひょうざんにぶっつかってふねがしずみましてね、)
「いえ、氷山にぶっつかって船が沈みましてね、
(わたしたちはこちらのおとうさんがきゅうなようで)
わたしたちはこちらのお父さんが急な用で
(にかげつまえひとあしさきにほんごくへおかえりになったので)
二ヶ月前一足さきに本国へお帰りになったので
(あとからたったのです。)
あとから発ったのです。