55 質料と形相

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1 ぽんこつラーメン 5775 A+ 6.0 94.9% 327.6 1998 106 46 2024/10/21

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問題文

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(ありすとてれすのしつりょうとけいそうにかんするりろんは、)

アリストテレスの質料と形相に関する理論は、

(かれのてつがくしそうのうちもっともじゅうようでもっともえいきょうを)

彼の哲学思想のうち最も重要で最も影響を

(のこしたもののひとつだ。)

残したもののひとつだ。

(しかし、わかりにくいせつであるため、)

しかし、分かりにくい説であるため、

(ただしくりかいされないこともおおい。たんてきにいえば、)

正しく理解されないことも多い。端的に言えば、

(このせつはきんだいかがくがまだせいりつしていないじだいに)

この説は近代科学がまだ成立していない時代に

(しぜんげんしょうをせつめいしようとしたものだった。)

自然現象を説明しようとしたものだった。

(ありすとてれすは、せかいはじったい(しょくぶつやどうぶつなど、)

アリストテレスは、世界は実体(植物や動物など、

(ぐたいてきなここのじぶつ)でこうせいされていると)

具体的な個々の事物)で構成されていると

(かんがえていた。わかりにくいようなら、)

考えていた。分かりにくいようなら、

(じったいとは、それについてかたるときにたいてい)

実体とは、それについて語るときにたいてい

(ぶんのしゅごになるものだとかんがえるといい。)

文の主語になるものだと考えるといい。

(たとえば、「そくらてすはあおじろい」といえるので、)

例えば、「ソクラテスは青白い」と言えるので、

(そくらてすはじったいである。ありすとてれすは、)

ソクラテスは実体である。アリストテレスは、

(じったいがもつせいしつのうち、「あおじろい」などいちぶの)

実体が持つ性質のうち、「青白い」など一部の

(せいしつを「ぐうゆうせい」とよんだ。ぐうゆうせいとは、)

性質を「偶有性」と呼んだ。偶有性とは、

(じったいについてかたられることがらのことで、)

実体について語られる事柄のことで、

(ぶんではふつうけいようしとしてきのうする。)

文ではふつう形容詞として機能する。

(もしりょうしゃのちがいがぴんとこないのなら、)

もし両者の違いがピンと来ないのなら、

(ぐうゆうせいのへんかとじったいのへんかをありすとてれすが)

偶有性の変化と実体の変化をアリストテレスが

など

(どうくべつしているかをみてみてもいい。)

どう区別しているかを見てみてもいい。

(ぐうゆうせいのへんかとは、たとえばそくらてすがたいようのしたで)

偶有性の変化とは、例えばソクラテスが太陽の下で

(じかんをすごして、あおじろかったかおがこむぎいろになった)

時間を過ごして、青白かった顔が小麦色になった

(ばあいが、それにあたる。じったいであるそくらてすは)

場合が、それに当たる。実体であるソクラテスは

(そのままであり、へんかしたのは、あおじろいいろから)

そのままであり、変化したのは、青白い色から

(こむぎいろへという、そくらてすにとってはふずいする)

小麦色へという、ソクラテスにとっては付随する

(せいしつにすぎない。これがぐうゆうせいだ。)

性質にすぎない。これが偶有性だ。

(いっぽう、じったいのへんかは、そくらてすのしがこれにあたる。)

一方、実体の変化は、ソクラテスの死がこれに当たる。

(このばあい、じったいそのものであるそくらてすは)

この場合、実体そのものであるソクラテスは

(そんざいしなくなった。)

存在しなくなった。

(このじったいのへんかというかんがえからうまれたのが、)

この実体の変化という考えから生まれたのが、

(ありすとてれすのしつりょうとけいそうのりろんだ。)

アリストテレスの質料と形相の理論だ。

(そくらてすがしんでも、そのしたいはそんざいしつづける。)

ソクラテスが死んでも、その死体は存在し続ける。

(そのままのこるものがあるのだ。ありすとてれすは、)

そのまま残るものがあるのだ。アリストテレスは、

(じったいがへんかしてもそんぞくするものを「そざい」という)

実体が変化しても存続するものを「素材」という

(いみで「しつりょう」とよんだ。しかしそくらてすのしつりょうは、)

意味で「質料」と呼んだ。しかしソクラテスの質料は、

(いぜんはたようでふくざつなせいめいかつどうをおこなっていたが、)

以前は多様で複雑な生命活動を行っていたが、

(そうしたかつどうをすべてやめてしまった。)

そうした活動をすべて止めてしまった。

(しんだあとはしつりょうがのこるが、しつりょうのかたちはへんか)

死んだあとは質料が残るが、質料の形は変化

(している。このように、しつりょうにいっていのかたちをあたえ、)

している。このように、質料に一定の形を与え、

(そくらてすのかくぶぶんがどのようにそうごさようするか)

ソクラテスの各部分がどのように相互作用するか

(をきめるこうせいげんりかつどうげんりのことを「けいそう」という。)

を決める構成原理・活動原理のことを「形相」という。

(ありすとてれすは、ここのじったいはしつりょうとけいそうを)

アリストテレスは、個々の実体は質料と形相を

(くみあわせたものだとかんがえた。そしてしぜんてつがくに)

組み合わせたものだと考えた。そして自然哲学に

(ついてのちょしょで、このしつりょうとけいそうのりろんをつかって)

ついての著書で、この質料と形相の理論を使って

(たしゅたようなしぜんげんしょうをせつめいした。)

多種多様な自然現象を説明した。

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