民法 2-5 意思表示⑤

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(さぎとりけし96じょう3こうにおいて、だいさんしゃにとうきはようきゅうされるのか。)

詐欺取消し(96条3項)において、第三者に登記は要求されるのか。

(とちはaからb、bからcへとじゅんじいてんしているため、)

土地はAからB、BからCへと順次移転しているため、

(aとcはぶっけんいてんのぜんしゅこうしゅのかんけいにある。)

AとCは「物権移転の前主・後主の関係」にある。

(したがって、にじゅうじょうとのもんだいにはならないことからたいこうようけんとしてのとうき)

したがって、二重譲渡の問題にはならないことから「対抗要件としての登記」

(はふようである。)

は不要である。

(さぎにおいてはひょういしゃのきせきせいがみとめられるため、とうきをようきゅうして)

詐欺においては表意者の帰責性が認められるため、登記を要求して

(だいさんしゃのほごはんいをせばめるひつようはないということにかんがみると、りえきこうりょうじょう、)

第三者の保護範囲を狭める必要はないということに鑑みると、利益衡量上、

(ほごようけんとしてのとうきもふようである。)

「保護要件としての登記」も不要である。

(いじょうにより、96じょう3こうがてきようされるためには、だいさんしゃにとうきはひつようない。)

以上により、96条3項が適用されるためには、第三者に登記は必要ない。

(とりけしのそきゅうこうもいっしゅのぎせいにすぎず、とりけしによるしょゆうけんへんどうも)

取消しの遡及効も一種の犠牲にすぎず、取消による所有権変動も

(177じょうによりこうじすべきぶっけんへんどうにあたるといえるため177じょうを)

「177条により公示すべき物権変動」にあたるといえるため177条を

(てきようするよちがあるとかんがえられる。)

適用する余地があると考えられる。

(とりけしごのだいさんしゃについても、)

取消し後の第三者についても、

(とりけしのそきゅうこうをてっていし94じょう2こうをるいすいしてだいさんしゃをほごするけんかいがある。)

取消しの遡及効を徹底し94条2項を類推して第三者を保護する見解がある。

(とうきのうむといったしょりのほうががいけんじょうわかりやすく、)

登記の有無といった処理の方が外見上分かりやすく、

(ほうてきあんていせいがあるため、177じょうのもんだいとしたほうがてきせつである。)

法的安定性があるため、177条の問題としたほうが適切である。

(かいじょまえにだいさんしゃがとちをしゅとくしたばあい)

解除前に第三者が土地を取得した場合

(ばいばいけいやくをかいじょすると、545じょうのこうかがしょうじる。)

売買契約を解除すると、545条の効果が生じる。

(545じょう1こうはほんぶんでとうじしゃのいっぽうがそのかいじょけんをこうししたときは、)

545条1項は本文で「当事者の一方がその解除権を行使したときは、

(かくとうじしゃは、そのあいてがたをげんじょうにふくさせるぎむをおう。ときていしている。)

各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。」と規定している。

など

(けいやくかいじょのちょくせつのこうかとして、けいやくかんけいはそきゅうてきにしょうめつするとかいする。)

契約解除の直接の効果として、契約関係は遡及的に消滅すると解する。

(なぜなら、かいじょせいどのもくてきは、とりけしとどうよう、けいやくのこうそくりょくからのかいほう)

なぜなら、解除制度の目的は、取消しと同様、「契約の拘束力からの解放」

(であるため、とりけしとおなじように、)

であるため、取消しと同じように、

(はじめからけいやくかんけいがなかったとするべきであるからである。)

初めから契約関係がなかったとするべきであるからである。

(かいじょはけいやくをそきゅうてきにしょうめつさせないとかいするけんかいもそんざいする。)

解除は契約を遡及的に消滅させないと解する見解も存在する。

(545じょうではただしがきでだいさんしゃのけんりをがいすることはできない。)

545条では但書で「第三者の権利を害することはできない。」

(ときていされているが、そきゅうてきにけいやくがしょうめつするとかいするから、)

と規定されているが、遡及的に契約が消滅すると解するから、

(ただしがきによりそきゅうこうをせいげんしてだいさんしゃをほごするひつようがある。)

但書により遡及効を制限して第三者を保護する必要がある。

(545じょう1こうただしがきによりだいさんしゃがほごされうるとして、)

545条1項但書により第三者が保護されうるとして、

(だいさんしゃはどのようなものががいとうするか。)

「第三者」はどのような者が該当するか。

(545じょう1こうただしがきのだいさんしゃはぜんいであるひつようがあるか。)

545条1項但書の「第三者」は善意である必要があるか。

(かいじょのばあいは、じょうぶんじょうぜんいはようきゅうされていない。)

解除の場合は、条文上善意は要求されていない。

(かいじょげんいんはこうはつてきにはっせいするため、かいじょまえにとりひきにはいっただいさんしゃが、)

解除原因は後発的に発生するため、解除前に取引に入った第三者が、

(まだはっせいしていないかいじょげんいんについてしっているばめんはかんがえがたい。)

まだ発生していない解除原因について知っている場面は考えがたい。

(よって、だいさんしゃがほごされるためにぜんいであることはひつようでない。)

よって、第三者が保護されるために善意であることは必要でない。

(だいさんしゃはとうきをぐびするひつようがあるか。)

「第三者」は登記を具備する必要があるか。

(かいじょはあいてがたにおちどがあるためにおこなうものであり、)

解除は相手方に落ち度があるために行うものであり、

(かいじょけんしゃじしんにはなんらきせきせいがない。)

解除権者自身には何ら帰責性がない。

(しかし、だいさんしゃはあくいであってもほごされるため、)

しかし、第三者は悪意であっても保護されるため、

(ぎゃくにかいじょけんしゃのほごがうすくなってしまっている。)

逆に解除権者の保護が薄くなってしまっている。

(ばらんすちょうせいのため、だいさんしゃはとうきをぐびするほどに)

バランス調整のため、第三者は登記を具備するほどに

(みっせつなりがいかんけいをゆうするばあいにほごするのがだとうであるから、)

密接な利害関係を有する場合に保護するのが妥当であるから、

(ほごようけんとしてのとうきがひつようであるといえる。)

「保護要件としての登記」が必要であるといえる。

(かいじょにかんし、だいさんしゃはあくいであってもよいがとうきはそなえておくひつようがある。)

解除に関し、第三者は悪意であってもよいが登記は備えておく必要がある。

(かいじょごにだいさんしゃがしゅとくしたばあい)

「解除後」に第三者が取得した場合

(545じょう1こうただしがきのだいさんしゃというのは、かいじょまえのだいさんしゃである。)

545条1項但書の「第三者」というのは、「解除前の第三者」である。

(かいじょごのだいさんしゃとのかんけいにおいては、さぎとりけしのばあいとどうよう、)

解除後の第三者との関係においては、詐欺取消しの場合と同様、

(かいじょのそきゅうこうをせいげんしたうえでふっきてきぶっけんへんどうがあったとかんがえ、)

解除の遡及効を制限した上で復帰的物権変動があったと考え、

(たいこうもんだい177じょうとしてしょりすべきである。)

対抗問題(177条)として処理すべきである。

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