105 イエス・キリスト

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(なざれのいえすは、ろーまていこくのじだいにゆだやきょうと)

ナザレのイエスは、ローマ帝国の時代にユダヤ教徒

(としてうまれそだった。きりすときょうとは、いえすはかみのこ)

として生まれ育った。キリスト教徒は、イエスは神の子

(であり、ながらくまちのぞまれていたきゅうせいしゅだとしんじている。)

であり、長らく待ち望まれていた救世主だと信じている。

(そのしょうがいのものがたりは、せいしょでせいてんとみとめられたよっつの)

その生涯の物語は、聖書で正典と認められた四つの

(ふくいんしょにしるされている。)

福音書に記されている。

(いえすは、べつれへむでまりあのことしてうまれた。)

イエスは、ベツレヘムでマリアの子として生まれた。

(きりすときょうでは、まりあはしょじょで、せいれいによって)

キリスト教では、マリアは処女で、聖霊によって

(みごもったとしんじられている。まりあのおっとよせふは、)

身ごもったと信じられている。マリアの夫ヨセフは、

(ふくいんしょではほとんどふれられておらず、そのため)

福音書ではほとんど触れられておらず、そのため

(いえすがじゅうだいなかばにたっするまえにしんだとかんがえられて)

イエスが十代半ばに達する前に死んだと考えられて

(いる。いえすはよせふのあとをついでだいくとなったが、)

いる。イエスはヨセフの跡を継いで大工となったが、

(やがて30だいになるとおしえをときはじめた。)

やがて30代になると教えを説き始めた。

(いえすは、みじかいはなしや、ぐうわ、ぎゃくせつ、たとえばなしなどを)

イエスは、短い話や、寓話、逆説、たとえ話などを

(つかっておしえをといた。なかでももっともゆうめいなのが、)

使って教えを説いた。中でも最も有名なのが、

(さんじょうのせっきょうと、よいさまりあじんのはなしだ。おしえをとく)

山上の説教と、善いサマリア人の話だ。教えを説く

(だけでなく、いえすはびょうにんをちゆしたりししゃを)

だけでなく、イエスは病人を治癒したり死者を

(いきかえらせたりするきせきもおこなった。いえすはじょせいにも)

生き返らせたりする奇跡も行った。イエスは女性にも

(しんみになってたすけたりおしえをといたりしたため、)

親身になって助けたり教えを説いたりしたため、

(とうじのしゅうきょうかいからひなんされた。)

当時の宗教界から非難された。

(おしえのなかでいえすは、つみのゆるしとならんで、)

教えの中でイエスは、罪の許しと並んで、

など

(てんのくにがとうらいするとといている。そのいみする)

天の国が到来すると説いている。その意味する

(ところは、なんとおりにもかいしゃくされてきた。いちぶの)

ところは、何通りにも解釈されてきた。一部の

(ひとびとは、とうじいすらえるはろーまにせんりょうされていた)

人々は、当時イスラエルはローマに占領されていた

(ので、いえすはせいじてきじゆうのことをいっているのだと)

ので、イエスは政治的自由のことを言っているのだと

(おもった。ただ、いっぱんてきには、いえすはせかいのおわりを)

思った。ただ、一般的には、イエスは世界の終わりを

(といているのだとしんじられていた。このしゅうまつとは、)

説いているのだと信じられていた。この終末とは、

(とーらーでとかれているきゅうせいしゅのじだいのとうらいのこと)

トーラーで説かれている救世主の時代の到来のこと

(だとかんがえられた。いえすは、きゅうやくせいしょがやくそくしている、)

だと考えられた。イエスは、旧約聖書が約束している、

(しょくざいとちょうわのじだいをもたらすめしあ(きゅうせいしゅ)だと)

贖罪と調和の時代をもたらすメシア(救世主)だと

(しんじられた。)

信じられた。

(いえすは、おおくのしじしゃがいたが、なんどもげんじょうに)

イエスは、多くの支持者がいたが、何度も現状に

(いをとなえた。いすらえるにいるゆだやきょうのちょうろうたちに)

異を唱えた。イスラエルにいるユダヤ教の長老たちに

(たいするふまんをめいかくにしめすため、すぎこしのまつりのときにしんでんで)

対する不満を明確に示すため、過越祭のときに神殿で

(さわぎをおこした。ゆだやじんのさいこうほういんさんへどりんは、)

騒ぎを起こした。ユダヤ人の最高法院サンヘドリンは、

(いえすがかみをぼうとくしたとしてゆうざいをせんこくし、)

イエスが神を冒涜したとして有罪を宣告し、

(こっかはんぎゃくざいでろーまがわにひきわたした。いすらえるで)

国家反逆罪でローマ側に引き渡した。イスラエルで

(ろーまがわのせきにんしゃだったそうとくぽんてぃおぴらとは、)

ローマ側の責任者だった総督ポンティオ・ピラトは、

(いえすにじゅうじかけいをいいわたした。しかし、きりすときょうと)

イエスに十字架刑を言い渡した。しかし、キリスト教徒

(のしんじるところによると、まいそうされてみっかごにいえすは)

の信じるところによると、埋葬されて三日後にイエスは

(はかからふっかつし、じぶんがかみのこであることをしょうめいしたのち、)

墓から復活し、自分が神の子であることを証明したのち、

(しょうてんしたという。)

昇天したという。

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