探偵少年1 あやしい人造人間/江戸川乱歩
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | sai | 8519 | 神 | 8.7 | 97.2% | 301.9 | 2647 | 75 | 49 | 2024/12/12 |
2 | ssssss | 7301 | 光 | 7.7 | 94.7% | 344.6 | 2663 | 147 | 49 | 2024/12/10 |
3 | miko | 6402 | S | 6.5 | 97.3% | 401.4 | 2643 | 73 | 49 | 2024/10/20 |
4 | もっちゃん先生 | 5061 | B+ | 5.2 | 96.5% | 508.9 | 2672 | 96 | 49 | 2024/11/22 |
5 | Par8 | 4467 | C+ | 4.5 | 98.3% | 573.3 | 2606 | 45 | 49 | 2024/11/03 |
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問題文
(あるゆうがた、ちよだくのおおきなやしきばかりのさびしいまちを、ふたりのがくせいふくの)
ある夕方、千代田区の大きなやしきばかりのさびしい町を、ふたりの学生服の
(しょうねんが、あるいていました。おおきいほうのじゅうし~ごさいのしょうねんは、めいたんていあけちこごろう)
少年が、歩いていました。大きい方の十四〜五歳の少年は、名探偵明智小五郎
(のしょうねんじょしゅとして、また、しょうねんたんていだんのだんちょうとして、よくしられている)
の少年助手として、また、少年探偵団の団長として、よく知られている
(こばやしよしおくんでした。もうひとりのしょうねんは、しょうねんたんていだんのだんいんで、しょうがっこう)
小林芳雄君でした。もうひとりの少年は、少年探偵団の団員で、小学校
(ろくねんせいののろいっぺいくんという、おどけものの、おもしろいしょうねんです。)
六年生の野呂一平君という、おどけものの、おもしろい少年です。
(「なにか、すばらしいじけんがおこらないかなあ。かいじんにじゅうめんそうも、ひさしく)
「なにか、すばらしい事件がおこらないかなあ。怪人二十面相も、ひさしく
(あらわれないし、ぼく、このうでがなってしかたがないよ。」)
あらわれないし、ぼく、このうでが鳴ってしかたがないよ。」
(のろちゃんは、うでをさすりながら、いいました。のろちゃんというのは、)
ノロちゃんは、うでをさすりながら、いいました。ノロちゃんというのは、
(のろいっぺいくんのあいしょうなのです。)
野呂一平君の愛称なのです。
(「ばかだなあ。せけんのひとが、こわがって、さわぐのが、きみは)
「バカだなあ。世間の人が、こわがって、さわぐのが、きみは
(すきなのかい。」)
すきなのかい。」
(こばやしだんちょうにたしなめられて、のろちゃんはぺろっとしたをだして、あたまを)
小林団長にたしなめられて、ノロちゃんはペロっと舌を出して、頭を
(かきました。)
かきました。
(すると、そのとき、むこうのまちかどから、ひょいと、ふしぎなものが)
すると、そのとき、むこうの町かどから、ヒョイと、ふしぎなものが
(あらわれました。ろぼっとです。てつでできた、ぶきみなかたちのじんぞうにんげん)
あらわれました。ロボットです。鉄でできた、ぶきみなかたちの人造人間
(です。そいつが、かくばったあたまをふりながら、かくばったあしで、ぎりぎりと、)
です。そいつが、かくばった頭をふりながら、かくばった足で、ギリギリと、
(はぐるまのおとをさせながら、むこうのほうへあるいていくのです。)
歯車の音をさせながら、むこうのほうへ歩いていくのです。
(おもいもよらぬところに、じんぞうにんげんがあらわれたのをみると、ふたりは)
おもいもよらぬところに、人造人間があらわれたのを見ると、ふたりは
(ぎょっとして、たちすくんでしまいました。)
ギョッとして、たちすくんでしまいました。
(こばやししょうねんがのろちゃんのうでを、ぐっとつかみました。のろちゃんが、)
小林少年がノロちゃんのうでを、グッとつかみました。ノロちゃんが、
(いきなりにげだそうとしたからです。)
いきなり逃げだそうとしたからです。
(「きみはうでがなってしかたがないと、いったじゃないか。)
「きみはうでが鳴ってしかたがないと、いったじゃないか。
(あれはうそなの?」)
あれはうそなの?」
(こばやしくんは、にっこりわらって、のろちゃんにいってきかせました。)
小林君は、ニッコリ笑って、ノロちゃんにいってきかせました。
(「あれはね、ぎんざなんかをあるいているさんどいっちまんだよ。ほら、いつか)
「あれはね、銀座なんかを歩いているサンドイッチマンだよ。ほら、いつか
(ぎんざで、あいつにこうこくびらをもらったじゃないか。ろぼっとの)
銀座で、あいつに広告ビラをもらったじゃないか。ロボットの
(さんどいっちまんだよ。あれはてつでなくきでできてるんだよ。」)
サンドイッチマンだよ。あれは鉄でなく木でできてるんだよ。」
(「あっ、そうか。なあんだ。いたばりのろぼっとか。」)
「あっ、そうか。なあんだ。板ばりのロボットか。」
(「だが、へんだねえ。さんどいっちまんが、こんなおおきなやしきばかりの)
「だが、へんだねえ。サンドイッチマンが、こんな大きなやしきばかりの
(まちに、すんでいるんだろうか。それに、あんなすがたのままで、こんなに)
町に、すんでいるんだろうか。それに、あんな姿のままで、こんなに
(とおくまで、やってくるのは、おかしいね。」)
とおくまで、やってくるのは、おかしいね。」
(こばやしくんがいいますと、のろちゃんも、ちょうしをあわせて、)
小林君がいいますと、ノロちゃんも、ちょうしをあわせて、
(「だから、ぼく、あやしいとおもったんだよ。びこうしてみようか。」)
「だから、ぼく、あやしいとおもったんだよ。尾行してみようか。」
(ふたりのしょうねんは、あやしいじんぞうにんげんをびこうしました。しょうねんたんていだんちょうと、)
ふたりの少年は、あやしい人造人間を尾行しました。少年探偵団長と、
(そのだんいんですから、びこうにはなれています。ふたりはりすのように、)
その団員ですから、尾行にはなれています。ふたりはリスのように、
(ものかげからものかげにと、みをかくしながら、どこまでもじんぞうにんげんの)
ものかげからものかげにと、身をかくしながら、どこまでも人造人間の
(あとをつけました。)
あとをつけました。
(しばらくいきますと、ふるいれんがべいのもんに、からくさもようのてつの)
しばらくいきますと、ふるいレンガべいの門に、からくさもようの鉄の
(とびらのしまった、おおきなうちのまえにでました。)
とびらのしまった、大きなうちの前に出ました。
(じんぞうにんげんは、そのもんのまえにたちどまると、かくばったあたまを、くるくるまわして、)
人造人間は、その門の前に立ちどまると、かくばった頭を、クルクルまわして、
(あたりをながめてから、てつのとびらをひらいて、もんのなかへはいっていきます。)
あたりをながめてから、鉄のとびらを開いて、門のなかへはいっていきます。
(「おやっ、ますます、あやしい。あいつが、こんなおおきなうちにすんでいる)
「おやっ、ますます、あやしい。あいつが、こんな大きなうちに住んでいる
(はずがない。のろちゃん、あとをつけて、もんのなかへ、はいってみよう。」)
はずがない。ノロちゃん、あとをつけて、門のなかへ、はいってみよう。」
(もんのなかには、こんもりときがしげっていて、そのむこうに、ふるいれんがの)
門のなかには、こんもりと木がしげっていて、そのむこうに、ふるいレンガの
(にかいだての、おおきなせいようかんのいりぐちがみえています。)
二階だての、大きな西洋館の入口が見えています。
(じんぞうにんげんは、そのいりぐちはみむきもしないで、せいようかんのよこを、うらのほうへ、)
人造人間は、その入口は見むきもしないで、西洋館のよこを、うらのほうへ、
(まわっていきます。ぎりぎりとはぐるまのきしるような、あのいやなおとを)
まわっていきます。ギリギリと歯車のきしるような、あのいやな音を
(させながら、きかいのようなあるきかたで、ひょっこり、ひょっこり、)
させながら、機械のような歩き方で、ヒョッコリ、ヒョッコリ、
(あるいていきます。)
歩いていきます。